壁を内側にふかす
建築用語でふかすとは仕上げ面を前面に出すことを言うようで、『付加す』と書くそう。
こんな感じ。
12センチの壁の内側にもう一層12センチの壁を作って内側に壁を追加、いわゆる付加していく。
外に面する壁は全て内側に壁を『付加す』。
これで通常の壁の厚みプラス、内側に二層目の壁を作り倍の厚みを増すことになります。
壁の内側に付加した壁に断熱材を入れる
これが内側付加断熱
1.シートを貼って外のスキマをふさいだ様子。
内側に壁が付加されて厚くなっている。
2.一枚目の断熱材、厚み12センチを入れる。
斜めの筋交にはそれに沿って入れていく。また、元から横に走って取り付けてある貫という木材なんかの裏側にも入れていく。
そのため断熱材を切断して入れやすくしながらみっちり入れていく。
3.付加された壁に二枚目の断熱材12センチを入れて合計厚み24センチになった様子。切りながら入れてますが、最終的に隙間なく断熱材が入っていることが大事。
新築住宅では10.5センチ厚というところも多いので、24センチ厚は倍以上の断熱の性能。かなり異次元。
そんな感じで外に面する壁は二重に断熱材を入れていく。
内側にもう一つ壁を作って断熱材を付加していく、これが内側付加断熱!
できるだけ、冬は外の冷気を断つように、夏は暖気を断つように。
リノベで、長岡トップクラスの冬の暖かさを。夏の涼しさを。
どんな断熱材が良いか、悪いかは断熱材それぞれ
メリットデメリットを踏まえた上で選択
断熱材はどれがいいか悪いか論争ってのがあるのですが、何がいいのか私の中では最終決着しております。
ちなみに壁に入れている断熱材は、グラスウールという断熱材。
性能は0.038。
数値が低い方が断熱性能がいいとして
床で使ったこの断熱材、スタイロエースⅡは0.028。
性能はグラスウールより1.35倍高いけど、価格は性能以上に高い。同じ体積で換算すると価格は数倍。
価格は高いけどスタイロエースⅡには、いいところがあります。
床は床下からの湿気を防ぎたいので湿気を通しにくい、このスタイロエースⅡを使いたい。
それと下地が四角いので、スタイロエースⅡを四角く切ってきっちり隙間なく大工さんに入れてもらえる。
だから床はスタイロエースⅡ。
でも壁はやっぱりグラスウール。
斜めの筋交だとか、貫だとか、いろんな障害物があり、綿状のグラスウールの方が壁の中に入れるには、施工性が良い。
施工性が良いっていうのは大工さんがやりやすい。
やりやすいっていうのはつまり工事費が安くなる。
とはいえ、今回断熱材を入れるのは私の役割。
本来現場監督の大工ではない私でも、グラスウールは切って入れることができる。スキマなく入れるために、扱いやすいということ。
施工性がいい、これはグラスウールのメリット。
グラスウールのデメリットは湿気に弱いこと。
だから湿気にさらされないように
内側にフィルムを張る。
グラスウールの入っている壁の中に湿気が入らないようにします。
こうしてデメリットを解消する。
断熱材にもネオマフォームとかミラフォームとかセルロースとか、吹付の発砲系のアクアフォームだとか色々種類があります。
ただ、うちの会社は断熱材はこれ使ってるからすごいでしょ?っていうものでもないし、そもそもしっかりとした厚みがなければどんな断熱材でも、効果は発揮できません。
だから工夫次第で厚みがとれて、施工性が良くて、価格が比較して安くなるのであれば、なんでもいいのです。
ということで、私は上記で話したような断熱材を使用してます。
断熱材の種類で勝負するのではなく、本質的には住んだ後のお客様の快適性がどうかが重要なわけですからね。
次回は、天井を作っていきます!