天井下地から作っていく
ここは、天井が一段下がるところ、電気配線なんかもあるのでそれを隠すためと、将来的に点検もできるように下げてあります。
デザイン的にも天井の上げ下げがあると照明の陰影、光の濃淡がつくのでかっこよくなる。
だがしかし、断熱材を施工する視点からいうと凹凸があるとやりにくい。
でもそこは頑張って入れていく。デザインと性能を両立したいという気持ち。
立ち上がりの部分は壁ととらえて他の壁と同じく、グラスウールを2重に、24センチ厚。
ここも他の天井と同じく3重に43センチ グラスウールを入れる。
壁の内側にに貼ったフィルムは、壁の上で折り曲げて、梁にかかるようにしてテープ貼り。
壁の暖められた空気が天井に逃げて行かないようにするバリアを作る。
断熱やってる界隈の人たちの間に一般的に言われる『気流止め』ってやつ。
壁のような狭い空間の中で温まった空気は上に登ろうとするので、もしここが塞がってなかったら、空気は煙突効果で上に逃げていく。壁の中で『気流』が発生する。空気が上に逃げると、いろんな小さい隙間から寒い空気を引っ張ってくる。
これを止めるための壁の上のバリアは大事。見栄えはいいのでがっつりテープを貼って効果を出すことのほうが大事。
丸太梁より上に天井を作っていく
梁を出すために天井は上がるけど、断熱材を入れる空間45センチは確保したいので、その厚み分は確保した上で天井を作っていく。
できるだけ丸太梁を見せたいので天井は高く、でも断熱材をできるだけ入れたいのでそうすると天井は最低ラインが決まってくる。
断熱性の向上とデザインの両立のちょうどいいところのラインを出すと自ずと天井ラインはこうなってくるのです。
同じアングルのパース。
大工さんすみません。丸太梁を勾配天井でかわしていくのは非常に大変ですが、絶対かっこよくなるのでお付き合いお願いします。
部屋の角に斜めに取り付けられている火打ってやつを斜めの勾配天井でかわしていく下地。
斜めになっているものを斜めに交差させるって複雑なことをやってくれる大工さんに感謝。
下地の上に通気くんてやつが見えると思いますが、断熱材を入れたその上に
前回取り付けた穴あきの板から換気された空気が通る道をに通過層というスペースを確保するためのもの。
下地ができてきたところで
断熱材を入れていく
天井裏は断熱材の海。
こちらも三重に、43センチ入れていきます。
もこもこの海。
防湿気密フィルムを張り、石膏ボードで押さえる
断熱材が入ったところで防湿フィルムを張って、壁と同じく防湿層を作り、その上からボードを張って気密もとっていく。
気密フィルムと丸太が交わるところにスキマができるだけないように、気密テープを貼り貼り。
その上で石膏ボードを張っていくのですが、これが大工さん泣かせの勾配天井と丸太梁の取り合い。
なんだこの解放感!
材料が吹き抜けにかかってるので、写真ではわかりにくいですが、実際に見るとこれだけの開放感のある吹き抜けはあんまり見たことない!
かっこいい。
2本の丸太梁もきれいにあらわになりました。
大工さんと石膏ボード張りを集中してやってたので、ようやく張り終えたあとで俯瞰してみて、一旦落ち着いて改めて見たら、2人で、なんかやばくないですかって。
そんな一瞬も建築の醍醐味。
Kさんの要望で、当初計画より上げた天井。
お客様が同じようにやばいねって思ってくれたらそれはもう1番の建築の醍醐味。