2018年8月29日水曜日

Sさんの家 リフォーム Part2


小屋裏収納がほしいという希望があり天井の梁の上に床を作ります。

その下地を施工中。

下地が入ってないここは吹き抜け部分。


築10年でも若干木がやせているせいかボルトのゆるみが少しあるので締め直し。


外側に張られている透湿防水シート。

重ね合わせの部分からこれから寒くなると外から寒い空気が入り、中の暖かい空気が外に逃げてしまいますので


内側から気密テープを張って空気が逃げるのを最小限にします。

ひと手間かかるのですが、断熱材の効きを少しでも良くしたいためです。

ダウンジャケットをイメージしてもらうといいのですが、ダウンジャケットは中の綿を内側と外側の布で覆っているのであたたかい。

内側と外側の布に穴が空いていて、寒い空気が綿の中に入ってきたらあたたかくなりませんよね。

それと同じで断熱材が入る壁の中に風が入って来ないようにします。

細かいところを作業中。

2018年8月22日水曜日

風が通る家 過度な期待はしないほうが

風が通り抜ける家、エコっぽくて素敵。

でも窓を開けて快適な時期ってどのくらいあるでしょう。

4月から断熱住宅に住んだ私の感覚としては。

◆4~5月中旬。春。

寒い日もあり、暖かい日もあります。

家電の熱や人体からの熱でほぼ快適にいれるので、エアコン暖房をほぼ使わず、窓は閉め切った状態。

当然24時間換気で部屋の空気は入れ替えてます。

◆5月下旬から6月上旬。初夏。

結構暑い日もあります。

このあたりが窓を開けると快適な時期かなと思います。

日中そんなに気温が上がらない時に窓を開けると気持ちいい日もあります。

暑い夜は部屋内を冷やすために少し窓を開けることもありますが、夜は気温が結構下がる日もあり、冷え過ぎ注意ということで窓はそんなに開けません。

◆6月中旬から7月上旬。梅雨。

かなり暑い日もありました。

昔よりだいぶ暑い日が増えてきてます。

また梅雨時で湿度が高い時に窓を開けると湿気も入れてしまうので、窓を開けると逆に不快的。

窓を閉めて冷房か除湿の方が快適でした。

◆7月中旬から8月上旬。夏本番。

夏本番ですから当然窓を閉め切って冷房です。

24時間冷房の日も結構あります。

窓を開けて風を入れている家も見ましたが、熱風を入れているので温度は下がらないはずです。

風が人体にあたって多少体感温度は下がりますが。

窓を閉め切っているよりかいくらかマシというくらいで、我慢している感じだと思います。

夜八時を過ぎてようやく30℃以下になってくるくらいですから。

もう昔のような気温ではないんです。

夜風が気持ちいいなんて日は少なくなりましたし、気温が下がっても風がなければ自然通風に期待できません。

断熱住宅にして窓を閉め切って冷房すれば、電気代はそんなに怖がらなくてもいいはず。

測定してませんが。

その方が快適です。

◆8月中旬。現在。

まだ日中は暑いです。

でも夜は結構涼しい日もあります。

寒いくらいの時もあります。

夜涼しくするために窓を開けると、その風が冷たすぎると部屋の温度を下げる以前に、喉をやられます。

この時期に喉が痛くて、体調を崩す方、周りにいませんか?

夜風が原因かもしれません。

うちの家族夫婦と子供、弟、父親、みんな窓を開けていたせいで喉が痛いです。

自然通風に頼ったせいです。

寝室はこの時期窓を開けずに、別の部屋の窓を開けて涼しくした方が、直接夜風に当たらなくていいかもしれません。

結果日中も夜もエアコンをつけた方が快適で、自然通風に頼らない方が健康なことが分かりました。

朝までエアコンをつけていて寝起きがだるいという感覚はエアコンの冷やしすぎで体が冷えているためです。

うちの寝る時のエアコン設定は27℃か28℃なので、冷えすぎないので朝起きた時だるいという感覚はないです。

夏も冷やしすぎなくても涼しくいられるのが断熱住宅のいいところ。

無理に自然通風しないおかげで喉の痛さもなくなりました。

自然通風は絶対いいという方からは批判もあるでしょうけど。

◆結論

窓を開けて快適な時期は結構短いです。

春から夏の終わりにかけて5か月ぐらいのうち2~3週間くらいしかありません。

これは断熱住宅じゃなくても近い感覚があるのではないかと思います。

実は窓を開けて快適な時期って窓を開けなくても温度的には快適だったりして、窓を開けた方が心地いいから開けるっていう感じです。

特に断熱住宅に住んでみると、窓を開けずに、閉め切ったままで部屋の温度を保ってくれるので、冷暖房がいらない期間が長いなという実感はあります。

窓を開けない方が快適な期間があるのです。

街中では防犯上窓を開けたくても開けれないこともあります。

自然通風はエコだし、風が通り抜ける設計にしてますって聞こえはいいです。

でも窓を開けて快適な期間は短いのです。

弊社で管理しているマンションは周りに建物がなく上層階に行くほど風も通るので夏場風を入れて過ごせますが、やっぱりエアコンで冷房をした場合のほうがはるかに快適です。

高い温度で風を入れている場合は熱中症に注意しなくてはいけません。

私も窓を開けて自然通風することを軽視するつもりはないです。

窓を開けて風を通すことよりも全館冷房・暖房が家中に行きわたるという、そういう意味で家の空気が家全体に行きわたるような設計、言い換えればそれが風の通り抜ける家という考え方の方が必要なんじゃないかなって思います。

風が通り抜ける家の考え方を踏まえつつ、家の空気がちゃんと流れて全館冷暖房が効率よく効いてくれる家を考えていきたいです。

2018年8月17日金曜日

Sさんの家 リフォーム Part1


間仕切り壁も何もないワンルームの空間。

お子さんの遊び場になってました。

ここをリフォームしていきます。

壁に断熱材は少し入っていますが、天井には全く何も入ってませんので全然効き目がなく、今年の夏は相当暑かったな。

夏、この中で遊ぶには暑すぎます。

家丸ごと断熱材で覆わなければ意味がないので、壁の断熱もやり直し。

断熱は弊社の通常の仕様で改修していきます。

筋交いも足りていないようなので、バランスを見て追加していきます。

断熱と耐震の改修をして、長く住んでもらえるような家にしていきましょう。

2018年8月4日土曜日

LDKは広い方がいいですか?

LDKは広い方がいいですか?

広ければその分建築費は上がります。

収納やその他の空間を削ってもLDKを広げるか。

私の結論。

広く感じられれば狭くてもいい。

この結論も実際リフォームした我が家に住んでみて再度実感したのですが。

我が家のLDK。


未完成写真です。

子どもがいるので部屋が片付かず、完成写真は片付いてからいつか、いつか。

載せます。

写真下が見切れてますがこれがうちのリビングダイニングキッチンの大体の広さ。

11帖ないくらいですかね。

狭いですが天井が高いので狭いと思ったことはないです。

LDKは絶対16帖以上ほしいという方もいます。

新築だと20帖くらいのLDKが普通にあります。

いろんな考え方があります。

うちのLDKは約半分の11帖。

狭くても天井を高くすると圧迫感はなくなります。


うちは横に広げるより縦に広げてあげた感じ。

というよりもリフォームだから横にはこれ以上広げられなかったんですが。

断熱性能を上げたことで天井を高くする空間設計も可能になります。

断熱性能が中途半端なまま吹き抜けは作らないようにしましょう。

キッチン前には小上がりダイニングがあります。

ダイニングテーブルは置いてません。

これも広く見せるようにしたかったからです。

ダイニングテーブルは高さ大体70㎝。

結構大きいテーブルを狭いLDKに置くと余計に狭く感じてしまいます。

ダイニングテーブルは絶対必要ではありません。



ダイニングテーブルは置かずにキッチン前の小上がりダイニングにクッションをおいて床に座ってちゃぶ台テーブルで食事します。

ダイニングテーブルをはじめ、背の高い家具は圧迫感を強めるので置いてません。

なので大きい家具は置かずテレビボード・カップボードなどの壁面収納を充実させているのも広く見せたいからです。


壁面収納は約奥行き40センチ。


LDKで使うモノはそんなに大きくない食器・食材・本・TV・DVDなどなので壁面収納でほぼ収まります。

(写真は壁面収納が未完成です。)

押入のような収納は空間をとってしまいますし、奥行きがあるので奥に収納したものが取り出しにくいのですべて取っ払いました。

小上がりダイニングの下は床下収納になっているので少し大きいものはそこに収納してます。

キッチンに立つと小上がりダイニングやリビングにいる家族との距離が近いです。

家族との距離が近い。

これもコンパクトなLDKのメリット。

ただ平面的な広さを求めるよりも縦に広い空間は開放的で心地いいです。

断熱性能を無視してただ縦に広げることは不快的になるのでやめましょう。

20帖以上のLDKを採用して、空間としては広いけど壁面などの収納がないので片付かないというのもよくあります。

まとめ。

◇LDKの平面的な広さはそこそこに、縦の空間利用で開放的にしましょう。
(LDKの上全体を吹き抜けにしてしまっては2階で使えた空間が使えなくなるので最適な広さで考えましょう。)

◇押入のような奥行きのある収納は場所をとるのでLDKの収納としてはほどほどにして、壁面収納を有効に配置しましょう。

◇ダイニングテーブルが絶対必要というセオリーを排除して小上がりダイニングなど床座のダイニングを考えてみましょう。

◇LDKをコンパクトにした分で、その他の収納・例えば納戸などにまわせるようならなお良しです。
普段使わないようなものが納戸などににしまえればLDKに余計なものを置かなくてすみます。

こんなところを抑えれば我が家のように10帖そこそこのLDKでもいけます。

広さを抑えつつ、狭く感じず、コストダウン出来る一つの考え方として。