2025年1月6日月曜日

Kさんの家 性能向上リノベ 内側付加断熱と造作キッチン&家具17

フローリングを張っていく


Kさんちのフローリングはバーチの無垢フローリング。バーチは日本語で樺(かば)。
しっかり木目があるところと白身もあって表情があってよろし。



大工さんが丸ノコで切っていてわかる比較的硬い木材。
傷のつき方はどうだろう。
表面を爪で押し付けた感じは凹みにくい感じはあったけどな。



しっかり木目はあるけれど、色は優しい感じだから主張しすぎないし、濃い色の木材、白い木材との相性も良さそうだし、いろんな家具と合いそう。



床を養生して2階は大まかに完了。
梁がかっこいい。



勾配天井でかわした火打もアクセント。



巾木といって壁の下の床との取り合いにつける木材もフローリングと合わせたバーチ材で。
オイルを塗る前は少しピンクっぽいんだね。



よし、いい感じ。


造作キッチンも進行中


Kさんの家は造作キッチン。
とりあえず枠組みから作っていく。
IHコンロが入るところ、食洗機が入るところ、シンクになるところなんかの寸法を確認しながら作っていく。
素材はならナラ、英語でオーク。

会社の隣の秘密の作業場で制作。
現場監督だけど、キッチンand家具を造作していく。
友達に言われた、もしかしたらそんな建築屋いないと。
いないことはないけれど、長岡ならもしかしたらオンリーワンだろうか。いやどうだろう。

キッチンを工事



現場に戻りまして、階段より手前のそのキッチンを置く場所を工事していきます。



まずは床を解体中。



解体後、床がないところ落ちないように仮設で手すりを。
お風呂に行くときに落ちないように。



Kさんの子供達がそこで遊び始める。
気をつけて。

自分も子供の頃、自宅を作ってくれてた大工さんがいる現場に行って遊んでた。
自分の住む家の工事中の記憶。
大工さんと話したこと。
ベランダになる部分に上がって外を眺めたこと。
そこで怪我したこと。
今の時代、怪我なんかしたら現場管理が悪いとかそういうことになる。
それも当然そうなんだけど、親がしっかり見た上で現場に子供が来るのはいいでしょう。

現場で友達や兄弟と遊びに行っては大工さんにちょっかい出していた小学生の頃、私はいつまでも残るいい思い出になってる。
願わくば、この2人も将来思い出になってくれたら建築屋として嬉しい。



床の解体を進めて行く。
2階から見た様子。



大工さんが下地を作る前に水道屋さんが配管工事。
解体後に大工さんが下地を作る間の時間でやってもらうから時間を縫ってきてもらう。都合をつけてきてもらう水道屋さんにも感謝。



断熱材は6センチ+6センチの12センチで他の床と同じく厚い断熱。



壁はすでに二重に断熱を入れるため、内側に『付加』してあります。



電気屋さんも進行中。IHと食洗機と自動水栓の電源をつけてくれてます。



Kさんは自家製の味噌を作っているので、コンクリートが敷かれた床下は、今まで味噌の保管庫でした。
床には断熱材をたっぷり施しますが、今まで通り床下は味噌蔵として生かして残します。残すとこはしっかり今まで通り残したい。

キッチンに立つ人とテーブルに座る人の目線の高さを合わせる



キッチンの床ができてきました。
造作キッチンは一段18センチ下がったところに置く。



Kさんちのキッチンはアイランドキッチンでキッチンの周りを歩ける、回遊できるキッチン。
奥さんの希望で、キッチンの天板の高さ90センチ。で、キッチンは18センチ下がった床に置く配置。

キッチンに対面するカウンターテーブルは、キッチン天板と同じ高さ。だけど置いてある床の高さが異なるから、90センチ、マイナス18センチでテーブルの高さは73センチ。ダイニングテーブルの標準的な高さにする寸法。



テーブルに座った人の目線は、おおよそ115センチから120センチほどになる。

キッチンに立った女性の目線が140センチほど。
キッチンに立った人の目線はキッチンの床が18センチ低くなってる分目線も低くなるわけだから140センチ、マイナス18センチで122センチ。

テーブルに座った人とキッチンに立った人の目線がなから合うっていう寸法。
ちなみに、なから、ってだいたいっていう意味。
方言らしい。そーいんかい。

レンダリングといいます



一つ前のアニメのようなCGに、違うソフトを使って、日光の窓からの入り具合、それが室内に入った環境光、部材の凹凸や金属の反射を計算して、写真のような本物のようなリアルCGになる。
これを写真のようなリアルなCGにすることをレンダリングと言うのですが、これがレンダリング途中の図。



アングルは違うけど、これがレンダリング完成後。
パソコンの性能が低かったり、あと照明を増やしたりすると計算が複雑になるらしく時間がかかる。
だいたい一枚の写真に10分から20分かかる。
それでも自分が伝えたいことが伝わりやすいからレンダリングは欠かせない。

キッチンの床が完成



キッチンの給水・給湯・排水、食洗機の給湯・排水なんかの配管と電気線がアイランドキッチンなので全て床から出ているので、穴を埋めるためウレタンスプレーで気密の鬼と化す。

キッチンが入るところが一段下がって下地がほぼ完成。



キッチンに立って見たらこんな景色になるのかって言う確認をしたり、1日の終わりにそんなことをして現場をぐるっと見て今日の工事の進み具合を思い返しつつ明日やることを考えながら現場を後にするー。

2024年12月23日月曜日

Kさんの家 性能向上リノベ 内側付加断熱と造作キッチン&家具16


 天井下地から作っていく

ここは、天井が一段下がるところ、電気配線なんかもあるのでそれを隠すためと、将来的に点検もできるように下げてあります。


デザイン的にも天井の上げ下げがあると照明の陰影、光の濃淡がつくのでかっこよくなる。
だがしかし、断熱材を施工する視点からいうと凹凸があるとやりにくい。
でもそこは頑張って入れていく。デザインと性能を両立したいという気持ち。
立ち上がりの部分は壁ととらえて他の壁と同じく、グラスウールを2重に、24センチ厚。


ここも他の天井と同じく3重に43センチ グラスウールを入れる。


壁の内側にに貼ったフィルムは、壁の上で折り曲げて、梁にかかるようにしてテープ貼り。
壁の暖められた空気が天井に逃げて行かないようにするバリアを作る。
断熱やってる界隈の人たちの間に一般的に言われる『気流止め』ってやつ。


壁のような狭い空間の中で温まった空気は上に登ろうとするので、もしここが塞がってなかったら、空気は煙突効果で上に逃げていく。壁の中で『気流』が発生する。空気が上に逃げると、いろんな小さい隙間から寒い空気を引っ張ってくる。
これを止めるための壁の上のバリアは大事。見栄えはいいのでがっつりテープを貼って効果を出すことのほうが大事。


丸太梁より上に天井を作っていく


梁を出すために天井は上がるけど、断熱材を入れる空間45センチは確保したいので、その厚み分は確保した上で天井を作っていく。
できるだけ丸太梁を見せたいので天井は高く、でも断熱材をできるだけ入れたいのでそうすると天井は最低ラインが決まってくる。


梁をできるだけ出しつつ、断熱材を入れる空間の厚みを確保すると自然と斜めの勾配天井と一番上の水平天井の形になってくる。


断熱性の向上とデザインの両立のちょうどいいところのラインを出すと自ずと天井ラインはこうなってくるのです。


同じアングルのパース。
大工さんすみません。丸太梁を勾配天井でかわしていくのは非常に大変ですが、絶対かっこよくなるのでお付き合いお願いします。


部屋の角に斜めに取り付けられている火打ってやつを斜めの勾配天井でかわしていく下地。
斜めになっているものを斜めに交差させるって複雑なことをやってくれる大工さんに感謝。

下地の上に通気くんてやつが見えると思いますが、断熱材を入れたその上に


前回取り付けた穴あきの板から換気された空気が通る道をに通過層というスペースを確保するためのもの。


下地ができてきたところで

断熱材を入れていく


大工さん天井断熱に埋まっております。



天井裏は断熱材の海。
こちらも三重に、43センチ入れていきます。


もこもこの海。

防湿気密フィルムを張り、石膏ボードで押さえる



断熱材が入ったところで防湿フィルムを張って、壁と同じく防湿層を作り、その上からボードを張って気密もとっていく。


気密フィルムと丸太が交わるところにスキマができるだけないように、気密テープを貼り貼り。
その上で石膏ボードを張っていくのですが、これが大工さん泣かせの勾配天井と丸太梁の取り合い。


とはいえ、やり直しほぼ無しで一発で決めていく大工さん。やばいな。


きれいに丸太梁をかわして張ってくれました。

私が断熱入れてフィルム張って、追っかけで大工さんが石膏ボードを張っていくので、すいません、ちょっと私、グラスウール片付いてなくて。


石膏ボードを張られたことにより2つの丸太梁がさらに強調されました。
2階の天井が出来上がったところで、一旦足場を外してみます。

と、一階に降りてみて吹き抜けを見上げる。

!!


なんだこの解放感!
材料が吹き抜けにかかってるので、写真ではわかりにくいですが、実際に見るとこれだけの開放感のある吹き抜けはあんまり見たことない!


かっこいい。


2本の丸太梁もきれいにあらわになりました。


大工さんと石膏ボード張りを集中してやってたので、ようやく張り終えたあとで俯瞰してみて、一旦落ち着いて改めて見たら、2人で、なんかやばくないですかって。
そんな一瞬も建築の醍醐味。

Kさんの要望で、当初計画より上げた天井。
お客様が同じようにやばいねって思ってくれたらそれはもう1番の建築の醍醐味。