2024年11月29日金曜日

Kさんの家 性能向上リノベ 内側付加断熱と造作キッチン&家具13


今まで使っていたダイニングテーブルをKさんがリメイクしていく。



Kさんちで今まで使っていたダイニングテーブル。
リノベ後に座卓として使いたいのでKさんがリメイク。
表面のテカテカしているウレタン塗装。
これを取り除いて本来の無垢の木の表面である天然の素材感を出すべくサンダーがけ。
表面の保護のために行うウレタン塗装であるが故、非常に強い塗膜で保護されており、機械を使ったやすりがけでもはがすには相当な労力。
それを根気よく表面を削ると


綺麗な無垢の木目が出てきました。
リノベ後の室内によく合う天然の肌触りのテーブルに。
すげーわKさん。

やすりで削っても消えない赤色。ということは本来の木の色がこの赤色。
それと、この独特の匂い。
この匂い嗅いだことあるな。もしかしたらカリン?
高級木材ですね!
こりゃいいテーブルに生まれ変わりそう。

外壁をそのままに、断熱性能を上げていきたい


壁の上部に一部土壁を残したまま。
土壁は全部とって断熱材を代わりに入れたかったので、ほんとはこれも全て取り除きたかったんだけど、あえてそのままにしております。
なぜならこの壁を落とすと、繋がっている外の白壁も落ちていってしまうから。

私が推奨しているリノベは、外壁はできるだけいじらず、中身だけをリノベする事で、断熱性能を上げていこうというリノベ方法。

外壁をいじると一気に価格は上がります。
外壁の材料代、その下地代、足場代、外をも工事範囲にすると、新築した方が安いかもなんてことになりかねません。
値段がかかるだけでなく、工期も長くなります。
あと、天気が雨の日は工事がやりづらくなります。


それと、Kさんの家は雨板という杉の外壁。
Kさんはこの外壁を気に入っており、張り替える必要はない。
よってできるだけ、外壁はそのままにしたいわけです。

そりゃ外壁をはいで、土壁落として、下地をやりかえてって新築みたいなやり方したら、いいに決まってますよ。でも当然価格は高くなります。リノベ規模によっては下手したら新築するより高くなることもあります。

外壁はそのままで、しっかり断熱性能を発揮できれば、価格を抑えて快適に暮らせる。
これが私が推奨しているリノベ。

外壁を残しながら性能向上できるよう色々試行錯誤して、我が家ではそれが実践できて、暖かい家で6年経過しており、間違いなく外壁はそのままでしっかり性能が発揮できると感じております。

断熱を入れる前のひと仕事。スキマを埋めて気密をとっていく


はい、まずこれ。

土壁と木の間の隙間。
今までここからダイレクトに外の寒い風が入ってきていました。


近くによると余計わかる。
光が漏れるくらいの隙間。


ウレタンでモコモコしてスキマを埋める。
これ、Kさんちだけじゃないですよ。
和室で寒さを感じているお宅。このスキマをまず埋めてみましょう。
スキマは寒い風が入ってきて、せっかく温めた部屋の暖かい空気が逃げていきます。
ここはしっかり埋めましょう。
気密をとっていくのです!

土壁部分をシートで覆う


土壁と木の間の隙間を塞ぎましたが、土壁自体ももろい部分は隙間ができており


外から風を防ぐためにも土壁部分全体をシートでバリアします。
このシートで寒い空気を防ぎます。
またこのシートは透湿シートなので、壁の中に入った湿気は外に出るようにようにしてあります。
これ大事。

上の外壁裏部分もシートでふさぐ


上の部分は外に張られた外壁の裏がダイレクトに見えてる状態。
ここの上の方にもスキマがある。
ここも塞がないと上にのぼる暖かい空気はここから逃げていく。
暖房しても外に逃げていく。お金を使って、家じゃなくて外を温めていることになる。

一階の天井裏と繋がる部分も塞ぐ


この壁の下の壁のないところは一階の天井裏。
ここからも寒い空気が入ってくる。


そこもシートで塞いでいく。

温められた空気は、上にのぼる。
温められた空気が上にのぼると、先ほどの外壁の裏が見えていた上のスキマの部分から暖かい空気は逃げていく。
逃げてった空気があったところに代わりに冷たい空気が引っ張られてくる。
つまり、もしここが塞がっていないと、この部屋で暖房を効かすと逆に寒い空気を引っ張って入れてしまうことになる。
暖房温度を上げれば上がるほど、寒い空気を引っ張ってくるので寒くなる。そして寒くなってまた暖房をガンガン使うという悪循環。
暖房しても暖かくならない原因。
ここがないがしろになってる家って結構あります。


今回はちょっと小難しいスキマの話でしたが、2階のスキマを埋めるシート張りが完了し、次回から断熱材を入れていきます。
あまり聞きなれないと思いますが、私の推奨する断熱工事、内側付加断熱という工事をやっていきます。


2024年11月26日火曜日

Kさんの家 性能向上リノベ 内側付加断熱と造作キッチン&家具12

一階の床を解体して下地からやりかえる


土壁の解体したほこりなんかが飛んでしまうので、壁の解体が落ち着いてほこりで汚れる心配がなくなったところで、2階の床下地を完成させ、続いて1階に降りてきました。
汚れないようにという段取り、工事の順番も大工さんの心づかい。

元々畳の部屋の床を解体。
横に走る大引きという木材を、木の束でコンクリート板から支えています。
水平レベルを見ると全然悪くない。
レベルもいいし、シロアリに食べられてるわけでもない。
昔のやり方、木の束で支えてるってこと自体は全然悪いことではない。


ただ、畳ではなくフローリングに変えることで床下地の高さを変えなきゃいけないことと、断熱材を厚く入れたいということから下地から全部やりかえます。
残してそのまま使うより全てやりかえた方が、金額的にも断熱的にも有利っていう判断。


これが元のアングル。
様変わりしましたね。

長岡トップレベルの床断熱を入れていく


新しい床下地を作っていく。


1階に入れる断熱材。
相当多い。でも実はこれで半分の量。


大引きと言う太い木材が入っていきます。
木の束でなく、鋼製束と言って金属の束に変えたので、シロアリ被害にも強いですし、ネジ式なので水平レベルを一つ一つ合わせやすいです。


6センチの断熱材を


大引の間に入れていきます。


上の吹き抜けから見るとこんな感じ。


その大引の上に根太という木材を流していき下地を二重にします。


で、もう一度根太の間に6cmの断熱材が入る。
断熱材も二重に。
6cm+6cm=合計12cm!


材料屋さんによると、5cmの厚みの断熱材が出やすいので5cmの在庫があるという。
つまり一般的には5cmの断熱材1枚を入れることが通常ということ。
長岡で通常5cmのところ、12cm入れてるわけで、おそらくこれはトップクラスでしょう。

その上から2階と同じく24ミリの合板でを張ってシャッキリさせて


一階の床下地が半分完成!

なんでこんなに厚く断熱材を入れるのか?
うちもそうなんだけど、断熱性を上げて、無垢フローリングにしたら、床でゴロゴロしたくなる。
そうした時に床が冷たいと、一番触れている床の冷たさを感じちゃうので、室温は高くても寒く感じちゃう。
直接触れる部位の断熱性は上げておきたいと思っているのであります。
我が家ももう少し入れればよかったなという反省からKさんちは我が家よりも厚く入れたのでした。


2024年11月18日月曜日

Kさんの家 性能向上リノベ 内側付加断熱と造作キッチン&家具11

ユニットバスのCGは建築会社の弊社が作る

LDKは改装中ですが、浴室はもう出来上がってるので入ってもらってます。
ユニットバスはクリナップのラクヴィアっていうものなのですが、弊社のキャドでそれが対応しており、お客様がクリナップのショールームで選んばれた、オプションなんかも反映してCGにできる。


これが実際のお風呂。
窓の大きさと設置高さなどは私が提案したCGの通り。
アクセントで色変えした壁なんかも反映できるので、ここまで作るとお客様とイメージの一致ができて、作った後にこうすればよかったということができるだけないようにできるのがいい。


こんな感じで、浴槽に入ってくつろぐとこんな見えかたになりますよ。
ってなイメージも提案できる。
ここで窓の大きさ、窓の位置なんかも確認して頂く。

この見え方はクリナップとかメーカーでは無理。
なぜなら、窓はメーカーが決めるものではなく、お客様と建築屋さんが決めることなのでね。
うちでCG提案できるからこそ、窓の大きさと位置を含めた、浴槽に入った際に見える景色をCGで見せられる。

やっぱりCGって大事。
お客様に伝えやすいってこともあるけど、実際の見え方を自分自身で確認するという意味でもだいぶ重宝する。

2024年11月13日水曜日

Kさんの家 性能向上リノベ 内側付加断熱と造作キッチン&家具10

吹き抜けの周りに床がができました

新たに梁を設けた後は、吹き抜けの周りに24ミリの合板を


しっかり間隔を保って釘打ちすることで梁と一体化していくことで今までよりも強い床に、地震に耐える床にしていきます。


テレビボードが取り付くところにある柱はKさんの希望で新しい柱にしてきれいにしていきます。
梁をかける前にほぞを作って大工さんが加工。


梁を完全に落とし込まず、半掛けして余裕のあるところに差し込んでいきます。


私が上から、かけや ではたき下ろしてお手伝い。
ほぞにしっかり入れて梁を落とし込んでいきます。


現場監督だけど、合板の切断なんかもお手伝いし、実働部隊として任務遂行!
吹き抜けの周囲の床が完成。


同じ画角からのパース。
このころのCGから天井の形状は変わったのですが、大体イメージと一緒。

Kさんが保管していた、眠っていた梁を叩き起こして、活かす


昔は町内の家々にひとつあったという鶏小屋。
卵を取ったり、その親鳥のお肉を食べたり。
Kさんちもそんな鶏小屋があったそうな。
町内の方に、お肉は新鮮でさぞ美味しかったんでしょうねと聞くと、食べるのは卵を産まなくなった親鳥なので肉は硬かったそう。なるほどー。

と、まあそれはいいとして、その鶏小屋を解体した時に取っておいた梁があるそうで。


外に出して眺めてみる。
これとか


こんなのもある。


見つくろったちょうどいいやつをKさんが雑巾掛けしてきれいにしていく。


それを大工さんにバトンタッチ。
まず寸法をみて切断。


実際に置いてみて、当てて寸法を出す。


梁と梁の設置面をきれいにする。
昔はノミでやっていた作業もマルチソーで時間短縮。
ただこれもしっかりノミが使える大工さんだからこそ、正確に平らにできるのであって、機械がいいから誰でも水平に、設置面がきれいにできるわけではない、というのは実際に見ているとわかる。
丸い梁を水平に切断するって技術がいるのです。


元々あったこの家を支えた当時の2本の梁は残し、その周りに新たに新しい梁をかけ床を作り、吹き抜けの真ん中にはKさんちで以前使われていた鶏小屋の丸太梁がかかる。


一階のリビングから上を見上げると、3つの時代の梁が垂直に交差する。
さらに2階の吹き抜け上の大きな丸太梁がそれに垂直に交わるように見える。
と、年代を感じながら見るとそれも、さぞ奥ゆかし。

Kさんの家 性能向上リノベ 内側付加断熱と造作キッチン&家具11 を読む






2024年11月5日火曜日

シロアリ被害の和室をなおす

 シロアリが出たと連絡を受ける

シロアリが出たとお客様より連絡があり駆けつけてみる。


敷居に穴が


畳をはがして下を確認。
大引きより上がって敷居の下から突き出てきた様子。
だいぶ食べてくれたな、シロアリよ。


シロアリ駆除屋さんが床下に潜って家全体を調査。
和室2部屋の床下地が被害にあっている様子。
この2部屋だけでよかった。
ただ畳の裏まで進行していて被害はかなり進んでいる。
踏むと畳ごと床が少し沈んでしまうくらい。

床下地を取り替える


畳をはいで工事開始。


この敷居の穴


の裏をみると、大穴が開いてる。
そんなにうまかったのだろうか。


すごい食べられ方をしていたので、木がもろくなっていて解体がスムーズに進む。


床の下地を全て入れ替える。


床下に井戸のようなものが二つ。
井戸かと思ったけど床をはいで出てきた穴は1mほどの深さ。
井戸ではなく、昔は里芋なんかをこの穴で保管していたそうな。


きれいに下地が出来上がりました。
この状態でシロアリ駆除屋さんから防蟻剤を散布してもらうのを待ちます。

ちなみに


畳の下に敷いてあった新聞紙。
昭和48年3月!

年代を感じる新聞のテレビ欄



8時だョ!全員集合が!
ど根性ガエル ちこくをしましょうの巻 だって。

タイムスリップしてしまいました。